「神の守り人」(来訪編)を読みました(8月16日)
さて今回も女用心棒バルサが活躍します。今回の本で舞台になったのはロタ王国です。シリーズ1作目「精霊の守り人」の舞台となった新ヨゴ皇国の西隣に位置する国です。この国は、南は農業地帯で富んでいるが、北は羊の放牧などを営んでいる貧しい地域です。そして今回の舞台となったのはこの貧しい北部の更に奥に住む少数民族タルの話です。
タルの異能者は神アファナールの鬼子・タルハマヤを呼び出すことができる。そして12歳の女の子アスラはまさにこの異能者だったのだ。彼女には14歳の兄チキサがいた。彼らの母親トリーシアは禁城に侵入し、禁忌を破った罪で、シンタダン牢城で処刑された。この母親が処刑されようとするとき、アスラは神・タルハマヤを呼び出し、周りの人々を瞬間的に殺してしまった。
その後、彼らは人買いに連れられて、売られようとしていた。そのときにもアスラは神・タルハマヤを呼び出して人買いを殺してしまった。この兄弟と同じ宿に止まり合わせたバルサとタンダ(バルサの友達の薬草師であり呪術師見習い)はふたりを助けることにする。
ところがロタ王国に仕えるカルシャ(猟犬)と呼ばれる呪術師であり薬草師であるスファルとその娘シハナと部下達はアスラを殺さなければロタ王国が滅びるとして彼女を追い求める。
このシリーズはとてもおもしろくて、早く次を読みたくなります。ただ強いだけではなくやさしさを兼ね備えているバルサも魅力的です。
「神の守り人」(来訪編) 上村菜穂子 新潮文庫 2009年8月1日発行 514円+税