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「私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思います」を読みました(1月19日)

「私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思います」を読みました(1月19日)_d0021786_9551442.jpg季刊誌「SIGHT」2011年夏号と秋号に掲載されたインタビューをまとめたものである。原発まえがきで「SIGHT」編集長の渋谷陽一は次のように言っている。「原発問題は複雑である。しかし同時にシンプルでもある。僕らは原発の持つ、一種の科学的合理性にもとづく効率化の幻想とともに走ってきた。しかし、それが幻想でしかないことを思い知らされた。その幻想を捨て、はっきり見えてきた現実と向き合わなければならない。だから問題はシンプルなのだ。それを複雑にしているは、日本全体が幻想とともに走ってきたために、社会全体の構造が原発利権の上に成立してしまっているという事実だ。政治も企業も役人も学界もメディアも、そして司法までもがそうなのだ。」

原発をめぐる社会構造は日本の隅々にまで根を張っており、あれだけの事故を起こし、まだその解決の展望もなく、さらに今まで先送りしてきた使用済み核燃料の最終処分の方法すら確立されていない現状が明らかになった今も、原発再稼動を求める声がまたぞろ出てきて、政府・自民党を始めいくつかの政党は原発を基幹エネルギーと位置づけようとしている。

究極のところ原発問題は、金儲けのために原発をこれからも動かし続けるのか、事故が起こったときの影響の大きさ、事故処理の困難さ、使用済み核燃料の処分の問題などを考えて原発をやめるのかの選択だと思う。即時原発ゼロは非現実的だとして、いくつかの原発を動かすというのは、原発を動かし続けるのと同じだ。今、原発が一基も動いてなくても日本は問題なく動いている。原発のために支出されているお金を再生可能自然エネルギーやメタンハイドレード、油が採れる藻類の研究開発などに振り向け、新しい成長戦略を実現することがエネルギーの自立のためにも必要だと思う。

「私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思います」 飯田哲也、坂本龍一、上杉隆、高橋源一郎、内田樹、田中三彦、江田憲司、藤原帰一、開沼博、保坂展人、小出裕章、丸山重威、古賀茂明、和田光弘 ロッキングオン 2011年12月28日発行 1900円+税
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by irkutsk | 2014-01-19 09:55 | | Comments(0)