「天と地の守り人-第二部 カンバル王国編-」を読みました(1月31日)
この物語の準主人公・新ヨゴ皇国のチャグム皇太子は父の帝から疎まれており、サンガル王国からの援軍要請(実はすでにタルシュ王国の配下に入っており、新ヨゴ皇国の軍をおびき出してつぶす作戦だった)に、チャグム率いる船を送るのだった。そしてチャグムは捕らわれの身となりタルシュ王国に連れて行かれる。だが、隙を見て船から海へ飛び込み、ロタ王国へとたどり着く。
チャグムは北の大陸の国々が共同してタルシュ王国に対抗しなければ、勝ち目はないということをロタ王国国王、カンバル王国国王に説得しようとするのだった。
タルシュ王国では二人の王子が競い合いながら北の大陸を侵略しており、チャグムはうまくこのことを利用して北の大陸を守ろうとするのだった。
女短槍使いのバルサとチャグム皇太子は北の国々を一つに纏め上げることができるのか。今回も息をもつかせぬストーリーの展開で、一気に読み終わりました。
この世界に二つの世界が重なり合っていて、もう一つの世界の動きがこちらの世界にも大きな影響を及ぼす、そして二つの世界を見ることができるのがチャグムであり、またそれぞれの国にいる山の民や水の民と呼ばれる人たちであった。
そしてもう一つの世界で春が訪れようとしていて、そのことによってこちらの世界も暖かくなり、山の雪が解けて洪水になるという予兆を感じる人たちがいる。自然の災害と南の大陸タルシュ王国からの侵略という二つの危機からどうやって北の大陸を救うのか。第三巻に期待したい。
「天と地の守り人-第二部 カンバル王国編-」 上橋菜穂子著 新潮文庫 2011年6月1日発行552円+税