「家路」を見に行きました(3月7日)
3・11の原発事故で土地を失い、総一(内野聖陽)は、妻の美佐(安藤サクラ)、娘、そして継母・弟二郎の実母の登美子(田中裕子)と4人で仮設住宅に住んでいる。土地も仕事も失い登美子も総一も鬱々とした日々を過ごしている。妻の美佐はデリヘル譲として働いている。登美子は最近少しボケてきているようだった。
警戒地区に指定されている自宅に、かつて東京へ出て行った弟・二郎が一人戻ってきて住んでいた。そして田んぼを作り、苗床を作っていた。
原発事故で莫大な借金を抱えて総一の同級生が妻子を残して自殺する。警戒区域には入れないように警察が道路を封鎖している。イノシシが自由に走り回り、かつて田んぼや畑だったところは一面草におおわれている。
そんな時、警戒区域内のうちに弟が住んでいるという話を警察から聞き、総一は確かめに行く。そして、二郎は母親と二人でここに住むという。総一は登美子を連れてきて、山道を通って村へ入る。登美子はうちへ戻ることができ、そして二郎と二人で田植えをし、生きる張り合いを取り戻すのだった。
警戒区域やその周辺に住んでいた人たちは大変な苦労をしていることだろう。にもかかわらず、事故の原因は明らかにされず、誰も事故の責任を取らず、金儲けのために原発再稼動を目論んでいる。
福島で起こっている現実を日本中、世界中に知らせ続けていくことが大切だと思った。
「家路」 2014年日本 118分 監督:久保田直 出演:松山ケンイチ、田中裕子、安藤サクラ、内野聖陽ほか