「三日間の幸福」を読みました(5月20日)
20歳の学生・クスノキは大学2年生の夏を迎えていた。バイト先のビアガーデンで倒れて、バイトもできなくなり経済的に苦しくなり、本とCDを手放すことにした。そして翌日古本屋へ行って本を売ると、店の主人に「寿命を売る気はねぇか」と聞かれ、その店の場所の地図と電話番号を書いたメモをもらった。次に行ったCDショップでも金髪の店員に寿命を買い取ってくれる店があると聞かされ、地図と電話番号を書いたメモをもらう。
そのメモを見て寿命を買い取ってくれるという店に行くと、寿命の価格を算定するのに3時間ほどかかると言われる。3時間後に戻って女性の店員から示された金額は30万円だった。余命は30年3か月で、30年分で30万円を受け取りアパートへ戻る。
翌日、昨日寿命を買い取ってくれた店員がやってきた。彼女は監視員のミヤギだという。余命1年をきった人間が自暴自棄になり他人に危害を加えるという事態を防ぐためだという。そして余命が3日間になったら、監視が外されるという。
残された3か月間でクスノキは何をするのか…。
寿命がたっぷりある(あるいは「ある」と思っている)とき、人は生きることの意味を考えず、残りがわずかであると分かったとき、自分が何を本当にしたいのかを必死で考え、残された寿命を悔いないように生きるということを考えさせられた本でした。
「三日間の幸福」 三秋縋著 メディアワークス文庫 2013年12月25日発行 570円+税