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「「あの世」と「この世」をつなぐお別れの作法」を読みました(5月23日)

「「あの世」と「この世」をつなぐお別れの作法」を読みました(5月23日)_d0021786_8564633.jpg医師として多くの患者さんの死を見てきた筆者が書いただけあって、いろいろな面で納得することがありました。

彼は「死」がすべての終わりではなく、「あの世」があり「死」はそこへ帰っていくことだ。そして輪廻転生し、また新しい肉体をえて新たな生を生きることになると言っています。そして生まれてくる目的は「さまざまな経験をすることにより意識の進化をするためだ」といいます。人は転生する前に、今回の生では何を学び経験するのか、そしてそのためのおおよそのプログラムを自分で決めて生まれてくるとされています。そのプログラムの内容は人さまざまですが、ひとつだけ言えるのは「意味のない人生はない」ということです。

しかし今生きている生は一回限りのもので、同じ生は二度とありません。だから今の生を大切に使うべきであり、命があるうちにやって多くべきことがたくさんあります。

終活という言葉が最近流行っていますが、いつ死はやって来るかわかりません。生と死はいつも隣り合わせです。残された人に伝えたいことはちゃんと言っておくとか、書いて残しておくということが必要です。

人は常に誰かとつながりたいと欲する生き物です。つながるということは、私たち人間が生まれてきた最大の目的です。と同時に現世における学びそのものです。

また自分に必要なものは、常に自分の内側にあります。誰かと比べること、自分が選ばなかった未来を羨む、悔やむ、ということは一切必要ありません。何かと比較して一喜一憂する必要はありません。やりたいことをやり、感謝も忘れないということが大切です。私たちの人生は、誰かに感謝し、感謝されることの繰り返しを理想とします。

また「送る側」の作法として、「死」を恐れているかもしれない相手に対して、適切な言葉を持っていなくても、黙って手を握ってあげること、体に触れてあげることで相手に安心感を与えます。また感情のベクトルを死への恐怖心から、好奇心へと変化させてあげることもいいでしょう。

人生は出会いと別れの繰り返しです。出会いには出会いの、別れには別れのそれぞれ固有の「学び」がプログラムされています。だからいつまでも悲しむだけでは、あの世に還った当人に無用な心配をかけるだけです。そんなことにならにように、喪失感を抱きながらも明日を考えましょう。あなた自身が現世を精一杯生きること、そして時々亡くなった方を思い出すこと。それがお互いにとってプラスのエネルギーになります。

言葉の使い方一つで、人間は自分と相手の生きる活力を増減させることができます。だから私たちは、言葉を使う際に吟味して使うべきなのです。良い言葉は良い音を伝播し、きれいな意識エネルギーとなり、素晴らしい場を創造します。さらに良い言葉は使うことが大切です。使わないと言葉は滅します。

その良い言葉とは「ありがとう」です。「ありがたい」を口癖にすると不思議なほど感情が豊かになり、いいことの連鎖が始まったりします。「ありがとう」の反対語は「あたりまえ」です。この言葉からは感動も感謝も生まれません。そこにあるのは虚無感です。

また「助かります」、「おかげさまで」という言葉も感謝の気持ちを表す言葉です。人間の幸せとは、愛されること、人の役にたつこと、人に必要とされること、人にほめられることの4つです。だからこれらの言葉を相手に言えば、相手が幸せになります。幸せになれば相手も私が幸せになる言葉を返してきます。お互いに幸せになれるというわけです。

人生はどこかの何かと、あるいは誰かと比較して価値が決まるものではありません。人生は競争ではなく、共生です。幸せも不幸せもその人の気分ひとつ、要は気の持ちようです。何ももたずとも、幸せは自分で得ることのできるものです。幸せとは自分の生きがい、やりがいと出会ったときです。

大変勉強になる一冊でした。

「あの世」と「この世」をつなぐお別れの作法」 矢作直樹著 ダイヤモンド社 2013年2月28日発行 1300円+税
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by irkutsk | 2014-05-23 08:57 | | Comments(0)