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「シアター!」を読みました(8月5日)

「シアター!」を読みました(8月5日)_d0021786_1150465.jpg「三つ年下の僕の弟は、人見知りが激しくてひどい引っ込み思案だった。」で始まるこの作品は、弟・巧が主宰する劇団をめぐって兄の司が赤字300万円を貸してやる代わりに2年間で貸した金300万円を返せ、金は劇団が上げた収益しかしか認めない、返せなかったらシアターフラッグを潰せという条件だった。

そして兄の司はこう言った。「債務期間中の資金繰りは俺が管理する。すべての予算に決済を下すのは俺だ、今までみたいなどんぶりが通用すると思うなよ」。

2か月前にシアターフラッグに声優・羽田千歳が入団を希望してやってきていた。声優としてはプロでそれなりに知名度もあり、収入もある千歳が入団していた。

司は彼女を徹底的に利用することを考え、彼女にブログを作らせ、マスコミに出演するときはシアターフラッグの公演のことを宣伝するようにと言い渡す。

さまざまな工夫を仕掛けたシアターフラッグの公演は大成功するかに思えた。チケットの売り上げは過去最高を記録し、前売りだけで完売となる日もあった。しかし、会場の3階料理スタジオから出火し、消防車が来る事態となり、最終日・日曜の昼と夜の公演は中止せざるを得なくなってしまった。

結果、収支はわずか3万円の利益となってしまった。はたしてシアターフラッグは300万円を2年間で返せるのか?それとも解散することになるのか?

劇団の運営、舞台の進行、事前の準備など劇団関係者しかわからないことが詳しく書かれていて、ひとつの劇を作るのには大変な苦労があるのだということがよくわかりました。また演劇で収益を上げるというのは並大抵のことではできないということもわかりました。

有川浩さんの軽快なテンポでストーリーが展開していく物語についつい引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。

「シアター!」 有川浩著 メディアワークス文庫 2009年12月16日発行 610円+税
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by irkutsk | 2014-08-05 11:52 | | Comments(0)