「虹を操る少年」を読みました(8月29日)
学校に行くようになると彼の天才ぶりは教師を驚かせ、かえって疎まれるほどだった。その光瑠が高校に入学し、お祝いにパソコンを買ってもらい自分の部屋で何かを。作りはじめた。それはシンセサイザーの演奏に伴って数多くの電気信号を多彩なパターンで出せるようにしたものだった。
そして光瑠は毎晩夜中に自宅を抜け出してどこかへ行っているということに両親は気がついた。光瑠は小学校の屋上で、そしてつぎは工事中断中のホールで光の演奏をやっていたのだった。その光の演奏を彼は光楽と名付けていた。光瑠は光に乗せて彼のメッセージを発信していたのである。
彼は他人には見えていないが、自分には人の発している光が見えるという。そしてその光によってその人のことがわかる。光楽を見ているうちにみんな光を見る能力に目覚めるのだと言う。
そしてこの能力にみんなが目覚めると都合が悪い人間たち、つまり現在の体制で利益を得ている人間たちは光楽を潰し、みんなが光に目覚めるのを阻止しようとする。
光楽ははたして潰されるのか、それとも…。
とても面白い本でした。
「虹を操る少年」 東野圭吾著 講談社文庫 1997年7月15日発行 619円+税