「記憶探偵と鍵のかかった少女」を見ました(10月3日)
記憶探偵・ジョン・ワシントンは他人の記憶に潜入するという特殊能力をもち、その能力で数々の難事件を解決してきた。しかし、妻の自殺がきっかけで、冷静に他人の記憶を観察できなくなった彼は、現場から退き、部屋に引きこもって妻の思い出に浸るだけの日々を送っていた。
そんなある日、ジョンは、上司のセバスチャンからある仕事を持ちかけられる。アナという16歳の少女が絶食をしているので、彼女の記憶からその原因を見つけ、解消してほしいという依頼だった。それは幾多の凶悪事件を捜査してきたジョンにとっては、拍子抜けするほど簡単な仕事だった。
アナは大富豪グリーン家の美しき一人娘。実父はアナが生まれる前に亡くなっており、母親はその後再婚し、現在は継父と3人で森の奥深くに佇む屋敷に暮らしていた。
アナはIQがずば抜けて高く、赤ん坊の頃から変わったところがあり、多くの問題を起こしてきたという。そのためか母親はアルコールに依存し、継父はアナを施設に入れようとしていた。
寄宿舎で手首を切ったアナは、屋敷に連れ戻され、専属看護師による24時間体制の監視下に置かれていた。早速アナの記憶へ潜入したジョンはそこで、16歳の少女が経験するにはあまりにも衝撃的な出来事の数々を目の当たりにした。
継父からの虐待、母親によってつけられた掌の傷、継父とメイドの不倫、教師による性的虐待、クラスメイトの殺人未遂事件……
並はずれて利発で繊細なアナは、深く傷ついていた。
アナがジョンに心を開き、ようやく食事を摂ったのもつかの間、看護師のジュディスが階段から転落して重傷を負うという事件が起こった。継父は、アナが彼女を突き落としたのだと言う。「私じゃない、継父が私を施設に入れるために仕組んだのよ。継父の狙いはママの財産。ジュディスは継父とできている。信じてジョン。私の無実を晴らして。頼れるのはあなたしかいない。」アナは涙ながらに無実を訴えた。
ジョンは、事件の真相を探るために、アナの周囲で起きた過去の事件の関係者たちに話を聞いて回った。だが、彼らの証言はどれも、ジョンが“見た”記憶とは食い違っていた。アナがたった一人でこれらの事件を企てたというのだろうか?それとも彼女の周りの人すべてが、アナを陥れようとしているのだろうか?
セバスチャンも、アナの過去について何かを知っていながら隠しているようだ。やがて黒づくめの何者かが、ジョンを執拗に尾行するようになった。ジョンは一連の事件の影に何かがあると確信を強めていく。 はたしてジョンは、アナの記憶の中にある謎を解き明かし、全ての事件の真実にたどり着くことができるのか――。
退行催眠を使って本人も意識していない過去の出来事にたどり着いて、現在抱えている心の問題を解決するということは聞いたことがあるが、それとよく似たもののようだ。
「記憶探偵と鍵のかかった少女」 2013年アメリカ 99分 監督:ホルヘ・ドラド 出演:マーク・ストロング、タイッサ・ファーミガ、ブライアン・コックスほか
「記憶探偵と鍵のかかった少女」公式HP