「制服捜査」を読みました(11月3日)
本書は「逸脱」、「遺恨」、「割れガラス」、「感知器」、「仮装祭」の5つの事件からなっている。「逸脱」では行方不明になった高校生が実は同級生にリンチを受けて殺されていた事件。そして最後の「仮装祭」では、川久保は、13年前、夏祭の夜に起きた少女失踪事件に、足を踏み入れてゆく―。別荘族の子どもが仮装盆踊り大会でバレリーナの衣装で天使の羽をつけていたのだが、途中で行方不明になり、子どもも犯人も見つからず迷宮入りになっている。そしてその事件から13年後、仮装盆踊り大会が復活するのだが、駐在の川久保は嫌な予感がした。13年前にいなくなった亜矢香ちゃんと同じバレリーナに天使の羽をつけた同じ格好の女の子・さおりがいなくなる。
駐在勤務の警官は、自分の町で起こった事件の捜査にはかかわれず、所轄の警察官が担当する。また町の防犯協会は町の犯罪を防止するのではなく、犯罪を隠ぺいすることもあるという話が興味深かった。
「制服捜査」 佐々木譲著 新潮文庫 2008年12月20日発行 590円+税