「ランチのアッコちゃん」を読みました(1月24日)
第2話「夜食のアッコちゃん」では、前の会社が倒産し、別の会社で働いている三智子はバレンタインデーを前に正社員と派遣社員の間で板挟み状態になっていた。昼食も一人で講演で食べていた。そこへ以前の会社の部長・アッコ女史が移動販売のワゴン車で乗り付ける。三智子は今の会社での窮状を訴え、会社を辞めてアッコ女史と一緒に働きたいと言い出す。そこで1週間試験すると言われる。その仕事はポトフの移動販売で、明け方の3時に迎えに来、4時に新宿歌舞伎町へ。そして夜の仕事をしていたホストやホステス相手にポトフを売る。翌日は午前2時ごろの新聞社の前に。木曜日は病院で深夜勤務をしている看護師さんに。金曜日は早朝の築地市場へ。土曜日は映画のロケ現場へ。そして代役で映画に出演することに。
第3話「夜の大捜査先生」は全2作とは違い、三智子とアッコの移動販売車はわき役として出てくるだけ。合コンに参加している野百合が合コンに嫌気がさして抜け出し、偶然高校時代の先生前園英作と出会う。彼は生徒を探しに来ていた。ハマザキという生徒を追っかけてきたが、見失ったので、一緒に探してくれと言われ、手伝うことに。ハマザキに自分の高校時代を重ねあわせる野百合だった。
第4話「ゆとりのビアガーデン」では、佐々木玲美が総合ネット商社「センターヴィレッジ」に就職するが、ミス連発で、3か月で退職した。そして1年後、彼女はこのビルのオーナーから遺言でビルの屋上をもらう。そしてビアガーデンを始める。かつて勤めていた会社の屋上で、一人でビアガーデンを始める。そして連日遅くまで残業している「センターヴィレッジ」の社員をお客に呼び込む。だらだらと残業するよりも、時間内に終わってビアガーデンに行く方がいいということをわからせるという話。
働くことはなんなのかを考えさせる一冊である。
「ランチのアッコちゃん」 柚木麻子著 双葉社 2013年4月21日発行 1,100円+税