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「ご当地電力はじめました!」を読みました(2月14日)

「ご当地電力はじめました!」を読みました(2月14日)_d0021786_5382223.jpg3・11の福島第一原発事故以後、原子力発電に頼りたくない、自然エネルギーを使って自分たちで電気を作ろうという動きが全国あちこちで起こっています。この本はそれらの動きとその考え方を紹介している本です。

「エネルギー=電気ではない」ということが第2章で書かれています。「日本全体で使われるエネルギーは熱エネルギーが50%、燃料が27%、電気が23%です。太陽の光を電気にいったん変換してから熱を作り出すというのは非常に非効率的です。限られた資源を有効に使うには、それぞれのエネルギーの特徴を生かして、賢く使っていく必要があります」と筆者は言っています。

「日本のエネルギーシステムで最優先されてきたのは、効率性でも消費者の利便でもありません。電力会社がいくら儲かるかということが最も大事で、それ以外は後回しにされました。原発の安全対策や避難対策がおろそかにされてきた理由もそこにあります。」と述べています。

原発を再び動かそうとしている人たちの関心は「金もうけ」であって、それに伴う地域住民や国民の危険はあり得ないことにしようという、3・11以前の「安全神話」をふたたび持ち出しています。また原発立地市町村には「原発が動かないと、仕事がなくなる」、「市町村に補助金や寄付が来なくなる」と脅して、住民に再稼働を要望させるという構造が作られています。

9電力会社に依存しない自前の電気を、自然エネルギーを使って作ろうというご当地電力は全国各地で広がっています。

しかし、最近の政府や電力会社はこれらの自然エネルギーの普及を妨害しようとしています。自然エネルギーの電力買取を抑制しようとしています。技術的な問題だと言っていますが、原発や火力、水力など自前の電気を優先して使い、その残りの部分を買い取るとしているために、自然エネルギーの買取抑制をしなければならないと言っているのです。原発をやめれば、もっともっと自然エネルギーを買い取ることができます。燃料費が円安で高騰した火力発電を抑えることもできます。

究極的には各家庭で小型の自然エネルギー利用による生活(発電だけでなく太陽熱が利用できる機器の導入や、太陽光で作った電気を蓄電しておくことのできる電池の開発など)が可能となるようなシステムを作り上げれば、電力会社の電気を買わなくてもすむのではないかと思います。

第7章「はじめよう!ひとりひとりにできること」では、今何ができるかが具体的に書かれています。

エネルギーについて考えさせられる一冊でした。

「ご当地電力はじめました!」 高橋真樹著 岩波ジュニア新書 2015年1月20日発行840円+税
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by irkutsk | 2015-02-14 05:31 | | Comments(0)