「こんな長寿に誰がした!」を読みました(2月24日)
「終活なんておやめなさい」を読んで、おもしろかったのでこの本も読んでみました。年寄りのための人生論を書いた本だということができます。これから自分自身が年寄りになっていくうえでの心構え、考え方などが書かれています。「期待される老人像」に応えようとすると大変だから、そんなことをしようと思わず、年寄りらしくのんびり、ゆったり、ほどほどに生きましょうということが彼の言いたかったことではないでしょうか。
ちなみに「期待される老人像」とは、お金をふんだんにもっていて、元気ハツラツ、いつもにここにこ、ものわかりのいい老人だそうです。こういう老人になろうとするとかなりのプレッシャーです。
人間は誰だって年を取れば、体のあちこちにガタがくる。でもそれは病気ではなくて単なる加齢現象だ。老・病・死というのは苦である。苦というのは思いのままにならないものだ。それを思うがままにしようとするから苦しむのだと言っています。老・病・死と闘うのでなく、仲よく付き合うことだ。
だが、人生は今しかないので、今を楽しむことが大切だけれど、肉体に関しては借り物であると考え、大切に使えば壊れ方もゆっくりになるかもしれないので、大切に使うということは必要ではないだろうか。大量生産、大量消費の時代、修理するよりも新しいものを買った方が安いですよと言われる社会だが、自分の肉体は換えが効きません。生まれた時にもらった身体と死ぬまで付き合わなければなりません。いい体もあれば、ちょっと不具合のある身体もあるかもしれません。でも使い方によっては少しでも傷みを少なくし、遅らせることができます。「自分の身体は自分のものだ。どう使おうと勝手だ」と言って乱暴に使っていると、そのつけを払うのは自分自身です。
今後の生き方の参考になる一冊でした。
「こんな長寿に誰がした!」 ひろさちや著 青春出版社 2014年10月15日発行 920円+税