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「日本はアジアの次の独裁国家になるのか?」(2月27日)

「内田樹の研究室」というブログにおもしろい記事が載っていた。

次のようなものである。
「日本はアジアの次の独裁国家になるのか?」というタイトルでBloomberg Viewという海外メディアに安倍政権の改憲の企てがめざす方向についての興味深いコメントが載っていた。

書いたのはNoa Smithさん。ニューヨーク州立大学Stony Brook 校の准教授だ。
彼は次のように言っている。「日本の自由民主党(現存するうちで最も実体と異なる党名をもつ政党の一つ)は戦後史のほぼ全時期、短期的な中断をはさんで、日本を支配し続けてきた。この政党の実質的な部分は哲学的にも、組織的にも、またしばしば遺伝学的にも、日本軍国主義時代の政治的支配者の流れを汲んでいる。それゆえに、当然ながら、アメリカ占領期に日本におしつけられた自由主義な価値観をこの党派はまったく内面化することがなかった。かつては少数派であったこの党派が、現在では自民党内の支配的な勢力となっている。」

そして自民党の改憲草案で、「国は「公益及び公の秩序に違背する場合」には、言論の自由、表現の自由を規制することができるとされている。また、宗教集団に国家が「政治的権威」を賦与することを禁じた条項も廃絶される。つまり、政教分離原則が放棄されるのである。」

さらに悪いことに、草案は国民が従うべき六つの「義務」をあらたに付け加えた。」と指摘している。「憲法擁護義務」や家族扶養義務のようにあいまいで無害なものもあるが、「国家国旗に敬意を払う義務」を国民に求めるようなアメリカにおける保守派が推進している憲法修正と同趣旨のものもある。そして次の三つの「義務」はあきらかに反自由主義と独裁制を目指している。「国民は責任と義務は自由と権利の代償であるということを自覚せねばならない」「国民は公益および公の秩序に従わねばならない」「国民は緊急事態においては国家あるいはその下部機構の命令に従わねばならない」
これは中国やロシアであれば憲法に書かれていてもおかしくないだろうし、「緊急事態」についての条項は、多くの中東諸国で弾圧のために利用されている正当化の論拠と同じものを感じさせる。」

だが世界でもこの自民党改憲草案の反自由主義的な本質に注目されず、現行憲法9条の改定ばかりが注目されていると言っている。

「日本にとって現実的な最良の解は現行憲法にはいろいろ瑕疵があるが、その改定をできるだけ先送りして、いまだに1940年代のマインドをとどめているような人々が政権の座にとどまり続ける日が終わるのを待つことである。」

「日本はいま歴史的な転換点に立っている。
日本にはこれまで以上に自由主義的な社会になる可能性もあるし、これまでよりずっと自由主義的でない社会になる可能性もある。
より自由主義的な社会をめざすことこそが賢明であり、かつ道徳的な選択である」と結んでいる。

よく、テレビドラマなどで戦中の様子が放映されているが、それと本質的には同じ状況を作り出そうというのが今の自民党安倍政権のねらいである。国民は言いたいことも言えず、国家のためには命を投げ出すことを強いられていた時代は70年後の今、再び息を吹き返そうとしているかのようだ。

内田樹の研究室
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by irkutsk | 2015-02-27 10:04 | 考えたこと | Comments(0)