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「子育てハッピーアドバイス初孫の巻」を読みました(5月13日)

「子育てハッピーアドバイス初孫の巻」を読みました(5月13日)_d0021786_10184753.jpgやさしく読みやすい表現と楽しい漫画を使った子育てのアドバイス書(おじいちゃん・おばあちゃん向け)の本です。我が家には孫が同居していませんが、孫との付き合いや孫の両親との接し方など参考になることがたくさん書かれていました。その中でも、なるほどと思ったのは次のようなところでした。

しつけよりも、勉強よりも、大切なこと=それは自己肯定感です。心の成長のいちばん土台になるのは、自己肯定感です。自己肯定感とは、自己評価、自尊感情ともいい、「自分は生きている価値がある」「私は大切な存在」「必要とされている」という気持ちをいいます。この気持の根っこが築かれるのが、だいたい0歳から3歳です。親に抱っこしてもらったり、おっぱいを吸わせてもらったり、おむつを替えて清潔にしてもらったりなど、さまざまな世話を受けることによって、「自分は大切な人間なんだ」「生まれてきてよかったんだ」という気持ちがはぐくまれます。これが土台になって次に身についていくのがしつけや生活習慣です。これがだいたい3歳から6歳です。朝起きて夜寝るとか、トイレに行くとか、服を着替えるとか、あるいは自分と他人の物の区別がつくとか、順番を守れるとか、そういうことがこの期間に身についていきます。これを土台にして初めて可能になるのが、勉強です。これが6歳くらいからです。ですから小学校が6歳から始まるのはとても合理的なことなのです。こういったことから、しつけや勉強が身につくのも、自己肯定感という土台がしっかり育っていることが前提になります。

抱きぐせなんて気にしない。スキンシップは、赤ちゃんの心の成長にプラスになります。抱っこしてもらうと、子どもは自分が大切にされている、と思います。そしてそれは、自分は大切にされている価値ある存在だからだ、と感じるようになります。

「自分は大切にされている」と思えない子が、どうして人を大切にできるでしょうか。自己肯定感の低い子は、絶対に「ごめんなさい」と言えません。自分の非を受け止めるだけの心の余裕がないからです。

おもちゃがすぐに傷むのは、子ども自身が大切にされていない気持ちを、物にぶつけているのかもしれません。暴力や無視で気持ちを踏みにじられた子どもは、また他人に同じことをするでしょう。逆に、自分が大切にされたと感じている子どもは、別に口やかましく言わなくても他人を大切にするでしょう。すべて大人の姿から学んでいるのです。

「甘えさせる」と「甘やかす」は違います。「甘えさせる」はこどもの情緒的な要求にこたえることです。「抱っこして」とか「お話聞いて」とか、泣いている子どもにきちんと対応していくとか。「甘やかす」は物質的な要求に、こどものいうがままに応えることです。子供の情緒的な要求にはしっかりこたえて、その代わり物質的な要求はきちんと制限してゆく、ということです。

「10歳まではしっかり甘えさせる。そうしたら、子どもは心の安定した、いい子に育つ」という言葉もあります。そういった安心感が子どもの心を育て、強くし、「生きる力」になってゆくのです。

3歳児神話(3歳までは母親が育児に専念すべき)には、合理的な根拠がない。確かに3歳までの子どもの脳の発達は著しく、たとえ記憶には残っていなくても、この時期に周囲からの愛情に包まれ、安心できる環境の中で育てられることは、とても大切なことです。しかし、母親以外は一切ダメと言うものではなく、父親や、あるいは祖父母、保育者であってもよいと、さまざまな調査結果は示しています。ですから、質のよい保育がなされ、また親が仕事から帰ってきた際に、それなりに適切な関わりがなされていれば、親が仕事に出ることはいっこうに差しつかえないと思います。

我が家も両親共働きで、子どもは産休明けから保育所に預けましたが、二人とも立派な大人に育ちました。よく孫の世話をしてやったと恩着せがましく言う祖父母がいますが、わたしは孫の世話をさせてもらったと感謝すべきで、恩を着せるようなものではないと思います。心の持ちようでは、孫の面倒を見ることはかけがえのないすばらしい体験だと感謝することができます。また不用意な発言で相手の気持ちを傷つけないようにしたいものです。子育ての主役は両親なのだから、自分の価値観を押し付けないようにしたいものだと思います。

「子育てハッピーアドバイス初孫の巻」 明橋大二、吉崎達郎著 万年堂出版  2012年7月9日発行 933円+税
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by irkutsk | 2015-05-13 10:18 | | Comments(0)