「驚くべき日本語」を読みました(5月26日)
彼はこの本で日本語は話すだけならとてもやさしい言語であると言っています。日本語教師をしている私から見ても確かに話すだけならとてもやさしい言語です。ところが書く、読むとなるとひらがな、カタカナ、ローマ字、漢字といろいろな文字があり、これをマスターするのは大変です。
ロジャー・パルバースは日本語の特徴を他の言語に比べて動詞の変化や時制がきわめてシンプルである。語彙が少なくてもニュアンスに富んだ表現ができる。日本語のあいまいな表現は、自己主張による衝突を和らげる芸術であると言っています。
日本語は膠着語と言われており、ある言葉の前、真ん中、後ろに「かな」をくっつけることで、その言葉の意味を簡単に変えることができる。だから柔軟性のある日本語は多言語ほどの語彙を必要としない。日本語の名詞は「てにをは」をつけるだけでどんな格にもなれる。恐ろしく広大で美しい日本語のオノマトペの世界がある。日本語は「入れ替え」「切り取り」が自由なので、「省略」が簡単に行える。中国語と大和言葉と外来語が混ざり合って存在することができる。
以上のような特徴をあげ、日本語は世界語になる可能性を持った言語だと言っています。
「驚くべき日本語」 ロジャー・パルバース著 集英社インターナショナル知のトレッキング叢書 2014年1月29日発行 1,000円+税