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「西の魔女が死んだ」を読みました(5月26日)

「西の魔女が死んだ」を読みました(5月26日)_d0021786_1425642.jpg中学に進んで間もなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女・まいは季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを西の魔女のもとで過ごした。

西の魔女とはママのママ、つまり大好きなおばあちゃんのことである。おばあちゃんはイギリス人で日本人のおじいちゃんと結婚して日本にやってきた。おじいちゃんは亡くなって、おばあちゃんは一人で暮らしていた。おばあちゃんに、おばあちゃんのおばあちゃんは予知能力のある魔女だったという話を聞いて、ではその子孫である自分も魔女になれるかと聞き、まいはおばあちゃんから魔女の手ほどきを受ける。魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。

おばあちゃんとの生活で元気と生きる力を取り戻していくまいだったが、ある日、まいはおばあちゃんに「人は死んだらどうなるの」と聞いた。

おばあちゃんの答えは次のようなものだった。「おばあちゃんは人には魂ってものがあると思います。人は身体と魂が合わさってできています。魂がどこからやってきたのかおばあちゃんにもよくわかりません。いろいろな説がありますけれど、ただ身体は生まれてから死ぬまでのお付き合いですけれども、魂の方はもっと長い旅を続けなければなりません。赤ちゃんとして生まれた新品の身体に宿る、ずっと前から魂はあり、歳をとって使い古した身体から離れた後も、まだ魂は旅を続けなければなりません。死ぬということは、ずっと身体に縛られていた魂が、身体から離れて自由になることだとおばあちゃんは思っています。きっとどんなにか楽になれてうれしいんじゃないかしら。」
「魂は身体を持つことによってしか物事を体験できないし、体験によってしか、魂は成長できないんですよ。ですから、この世に生を受けるっていうのは願ってもないビッグチャンスというわけです。成長の機会が与えられたわけですから」

「まい」は1か月あまりおばあちゃんと過ごした後、仕事を辞めたお母さんとともに、お父さんの単身赴任先へ移ります。そこでショウコという新しい友達ができ元気に学校へ通っています。そんなある日、おばあちゃんが、西の魔女が死んだという連絡を受け取り、おばあちゃんの家へ向かうのでした。

「西の魔女が死んだ」 梨木香歩著 新潮文庫 2001年8月1日発行 400円+税
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by irkutsk | 2015-05-26 14:02 | | Comments(0)