「問題な日本語 その4」を読みました(6月11日)
「夜ごはん」。誤用とは言えない。使用する人の好みによるものだとのことですが、最近晩ごはんを食べる時間が遅くなり、晩ではなく夜になってきたので「夜ごはん」といういい方が普及してきたのではないかと思います。
「お弁当温めますか」。コンビニでお弁当を買うと、必ずこう聞かれます。何の違和感もなかったのですが、「お弁当を温めましょうか」が正しい言い方で、「お弁当温めますか」は文法的には「あなたがお弁当を温めますか」と聞く場合に使う言葉で適切ではないとのこと。
「ありがとうございます」と「ありがとうございました」の使い分けも今まではっきりせずもやもやとしていましたが、「ありがとうございました」は過去のことがらや間もなく完了しようとしていることがらに対する感謝の気持ちを表すもので、今のことがらに対しては「ありがとうございます」を使うとのこと。「おめでとうございます」、「おめでとうございました」も使い方を誤ると相手の気分を損ねることになりかねないので注意したいと思います。
「まことに遺憾です」。政府や大企業が問題を起こしたとき、この言葉を使いますが字の意味からは「うらみを残す」で、相手の行為に対しては非難・批判になり、自分の行為に対しては「まずかった、思いどおりにならなかった」という残念な気持ちを表し、自分の行為を謝罪していることにはならないとのことです。いつもエライ人がこの言葉を使うたびに何となく違和感を持っていたのは、謝罪の気持ちよりも「まずかった」という残念な気持ちを聞かされているような気がしたからなんでしょうね。
戦後70年の談話を安倍首相が出すそうですが、「遺憾」や「反省」などというあいまいな言葉より、率直に「侵略」や「謝罪」という言葉を使ってほしいものです。
「問題な日本語 その4」 北原保雄編著 大修館書店 2011年12月20日発行 900円+税