「起終点駅 ターミナル」を読みました(7月14日)

d0021786_09425863.jpg国選弁護しか引き受けない弁護士・鷲田完治。釧路地方裁判所の刑事事件法廷で椎名敦子30歳の覚せい剤使用事件は調書を読む限り、実刑判決が下るような事件ではなかった。そして予想通り懲役2年、執行猶予3年の判決が下された。判決が出た日、椎名敦子は鷲田の弁護士事務所を訪ねてきた。


彼女は男を探してくれと頼むが鷲田に断られる。それでも事務所に居座り、鷲田は奥の居間に引っこみ夕飯の支度をする。すっかり敦子のことを忘れていて、事務所にまだいたのを見つけ、仕方なく夕食を御馳走する。


彼女はまたしばらくして筋子とコーヒーメーカーを持ってやってきた。また一緒に飯を食うが、彼女は熱をだし倒れてしまう。医者に連れて行き、熱が下がるまで面倒を見た。そして車がないので実家まで送ってくれと言われ、厚岸まで送っていくことに。しかし、実家には両親の骨壺と兄夫婦の娘の位牌があるのみで、人はいなかった。ところがここに敦子の男・大場が潜んでいたのだった。彼は低体温症で動けない状態だった。彼を車に乗せ警察へ行く。敦子が捕まったのは、彼の覚せい剤を持っていたからであった。


大場は以前の罪の執行猶予中で、今回の覚せい剤の罪と合わせて5年間の懲役となり、敦子はようやく彼と別れる決心をした。

鷲田完治も大学時代に知り合った冴子と同棲するようになり、学生運動から遠ざかり、司法試験に向けての勉強に集中することになり、ようやく司法試験に合格した日、冴子は何も言わずに彼のもとから消えた。


そして冴子と再会したのは、彼が旭川地裁の刑事部で右陪席をしているときだった。覚せい剤所持の罪で、懲役1年執行猶予2年を言い渡した。判決後1か月がたち、留萌の彼女の経営するスナックに行って、また彼女と月に1度の逢瀬を半年余り続けた。そして彼は東京高裁への転任の内示があったと話した後、裁判官を辞めて、法律事務所を開こうと思っている、一緒に暮らしたいと打ち明ける。彼は結婚していて、5歳の男の子もいた。


翌朝、留萌駅で街を出るまでは他人のふりをしていようと冴子に言われ、列車1両分離れて列車を待っていた。ところが彼女はやってきた列車に飛び込んだ。


彼は釧路へ行き、法律事務所を開いたが、妻は子どもを連れて東京へ帰って行った。


佐藤浩一(鷲田)、尾野真千子(冴子)で映画化され、2015117日公開される。


「起終点駅 ターミナル」 桜木紫乃著 小学館文庫 2015311日発行 600円+税








[PR]
by irkutsk | 2015-07-14 20:42 | | Comments(0)