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「この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体」を読みました(12月22日)

「この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体」を読みました(12月22日)_d0021786_9235375.jpg国際金融アナリストの大井幸子と政治評論家・片桐勇治の対談をまとめた本です。

日本人が知らない事実をこの本の中でいくつか教えてもらいました。大井幸子氏は国際社会の本質を見る観点として次の3つを上げています。
1、国際社会におけるおカネのやり取りは極めて長期で動く。
2、一度取り決められた契約は何があろうと履行される。
3、国家間もしくはそれに類する組織でのおカネのやり取りの根本は金で、これが国際社会を動かす。

また片桐勇治は『≪戦後日本は焼け野原から再出発する資金がまったくなく、その援助資金30億ドル、現在の価値にして30兆円もの資金援助を当時の吉田首相が米国に打診。その資金の一種の担保代わりに、日本は国防権、電波権、航空(管制)権を差し出した特別覚書・密約にサンフランシスコ講和条約と同時にサインした。この金は米国ではなく金融財閥「サッスーン」が出した。

他にも第一次世界大戦後、ドイツは過酷な賠償を課せられ、それが第二次世界大戦へとドイツを駆り立てたのだが、ドイツはその賠償を2010年に払い終えたとか、日本が1904~05年に日露戦争の戦費調達のために米英で起債した借金を払い終えたのは1986年だったなどマスコミでは一切報道されず、国民の多くはこの事実を知らされなかった。

日本が戦後、金融財閥「サッスーン」から借りた30億ドルは60年ローンで、2013年4月27日に完済した。しかし戦後アメリカに頼りすぎ、アメリカの意向を忖度することに慣れてしまった日本は、借金を返し終わっても、米国にすがることで出来上がった利権やしがらみから抜け出せないでいる。

そして片桐氏は、「70年という年月は世代が持つ歴史的感覚が失われる節目なのでしょうか」と言っている。

片桐氏によれば「国家が解体されるというのが、TPP・日米同盟体制の本質です。(中略)日米同盟は破棄しないまでも、日本は独自の方向性ということをしっかり考えなくてはいけない時期だ」ということです。

最後に片桐氏は次のように言っています。
「現実と思考(認識)のギャップを作らないようにする」。そのためには歴史を知り、知識を増やし、日々情勢を観察し、独自の見解を持ち、世界を動かす構造を知ることが何よりも重要。好き嫌いで判断しない、偏見を持たない、差別をしない、マスメディアやタダで入手できる情報は鵜呑みにしない、こだわりや思い込みを排除する、常識と反対のことを常に考える、よく調べることが必要である」。

「この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体」 大井幸子・片桐勇治 ビジネス社 2015年9月1日発行 1500円+税
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by irkutsk | 2015-12-22 09:23 | | Comments(0)