「コミック昭和史」を読みました(1月5日)

d0021786_2112229.jpg脳梗塞で入院中、息子の持ってきてくれた水木しげるの「コミック昭和史」を読みました。関東大震災から始まり、昭和大恐慌、治安維持法、満州事変などから始まり、政治・社会の動きと水木しげるの生活が交互に書かれており、今まで知っているようで知らなかった昭和の歴史を知ることができました。

また、戦前・戦中の庶民の生活がどうだったのか、日本軍が真珠湾攻撃をして以後破竹の勢いで進軍したが、転換点になったのはいつなのか。どうして日本は負けたのかなどが漫画で分かりやすく書かれてあり、昭和史のアウトラインを理解するにはうってつけの本である。興味のある事件、分野についてはそのことだけについて書かれた本を読めば、より理解が深まると思う。

水木しげるは1943年に召集され、過酷な体験で左腕を失い、現地民のトライ族と親しくなり、彼らの生活に惹かれ、ニューブリテン島に残ることも考えたが、周囲の説得で日本へ復員した。復員後は美術学校に通い、紙芝居を書くようになるが、すぐに紙芝居は廃れ、貸本向けに戦記漫画やホラー漫画、SF漫画、ギャング漫画、少女漫画、時代劇も描いた。

そして週刊誌「少年マガジン」に連載を依頼され、生活もようやく安定してきた。

水木しげるは何回か南の島へ行くのだが、最後のところで次のように書いている。
「あの戦前戦後にくらべれば、ほんとうに日本は良くなった。最近は経済大国になって豊かなはずだが……。一般のサラリーマンは心身ともに豊かではない。”会社“だけが豊かになっている感じ。一般のサラリーマンは家も持てず、ストレスになやまされるといったぐあい。日本は本当に豊かになったのだろうか……。スリランカの花嫁が日本に嫁いで、初めて”貧乏“というものがどんなに苦しいものかわかったという話があるが、私はいつも「南の友」に会うたびに、日本にはない”豊かさ“を感じてかえる。人間同士の関係、非商品的な関係というものが生きいきと存在し、日本のように競争による効率を重んじ、物や人の商品化、使い捨て、画一性、そういったものはない奇妙な方々ばかり……。

「コミック昭和史」1~8巻 水木しげる著 講談社文庫 1994年11月15日発行 各巻533円+税
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by irkutsk | 2016-01-05 21:11 | | Comments(0)