小説「言の葉の庭」を読みました(4月12日)
映画では高1の孝雄と雪野の二人の視点で描かれていたが、小説では孝雄の兄・翔太、そして翔太の彼女の梨花、そして母親の怜美、そして彼女の年下の彼氏・清水君、雪野先生が退職せざるを得なくなった原因の相澤祥子など映画では出てこなかった登場人物がそれぞれの立場から描かれている。
話のストーリーは雨の降る公園の東屋で、学校を午前中さぼった孝雄と精神的ストレスから仕事に行けなくなった雪野が偶然出会うところから始まる。
二人の関係はどう進むのか。そしてそれぞれの過去が別立てのストーリーで描かれており、二人が出会ったとき、それぞれがどんな気持ち、状態だったのかが克明に描かれている。サブストーリーとしての孝雄の兄・翔太の恋愛や、相澤祥子の心の移り変わりと変わらない本質などがうまく描かれており、ついつい小説の中に引き込まれていくとともに、この小説がいつまでも終わらないでほしいとさえ思わせてしまう著者の表現力、構成力には驚いてしまう。
「小説 秒速5センチメートル」も出ているので、読んでみたい。
小説「言の葉の庭」 新海誠著 角川文庫 2016年2月25日発行 680円+税