「さらばアホノミクス」を読みました(5月22日)
この本で気に入ったところは次のようなところである。
安倍の経済政策は、強いものがより強くなり、大きなものがより大きくなる。豊かなものがより豊かになればいいというものだ。トリクルダウンとは貧乏人を救うためには金持ちをより金持ちにするものだ。
今の日本経済は著しく成熟度が高く、完成度も、洗練度も極まっている。インフラも整い尽くし、GDP3位というとてつもなく大きな経済の国であり、これ以上の成長は必要ではない。潜在成長率が0%の、今の状態が日本の自然体。このような状態で追求すべきことは「分配政策」である。これまでの成長の果実である豊かさを、いかに上手く、いかに賢く分かち合うか、それが問われている。
そして今の選挙に行かない若者に聞かせたいことも言っている。
「我々が選挙に参加するという行為の背景には、選挙権を手に入れるための歴史的闘争の記録がある。命がけで選挙権を行使する他国の同胞たちの現実がある。それらを考えれば我々はあらゆる機会において選挙権を確実に行使していかなければならない。
とんでもない事なんて起こらない。そう考えて政治の成り行きを放置しておくと、最後には「こんなはずじゃなかった」の悲鳴を上げることになる。だが時すでに遅し。「そんなはずはない」と「こんなはずじゃなかった」との間は思いのほか近い。「そんなはずはない」は実にあっという間に「こんなはずじゃなかった」に変身してしまう。
「さらばアホノミクス」 浜矩子著 毎日新聞出版 2015年11月5日発行 1100円+税