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「完本 信長私記」を読みました(12月13日)

「完本 信長私記」を読みました(12月13日)_d0021786_5393649.jpg本書の最後に花村萬月氏はつぎのように書かれている。「時折、時代小説をノンフィクションと勘違いされている方がおりますが、あくまでもフィクションです。著者は虚構としての整合性がとれさえすれば、たとえば長篠で算段撃ちがあっても一向にかまわないという立場を取ります。ゆえに資料がどうこうという無粋だけはお許しください。資料に寄りかかった時代小説は、その資料を否定する新たな資料があらわれればとたんに陳腐化しますし、なによりも物語であり、小説であることを著者は優先いたします。」

この本では次のようなことが書かれている。
なぜ「種子島(鉄砲)」に興味を持ったのか?
なぜ将軍・足利義輝を保護したのか?
なぜ明智光秀を取り立てたのか?
なぜ桶狭間で今川義元に勝てたのか?
なぜ徳川家康と同盟を結んだのか?
なぜ徳川家康の嫡男・信康を自害させたのか?
なぜ長篠の戦いで武田軍に勝てたのか?
なぜ比叡山を焼き討ちにしたのか?
なぜ安土城を建てたのか?
なぜ松永弾正の裏切りを許そうとしたのか?
なぜ少数の手勢のみで本能寺に向かったのか?

一つ一つが、なるほどと思わせられる。織田信長は、時代を見る目、人を見る目、神仏をも恐れぬ実行力、新しい物を受け入れる柔軟さなど彼自身の能力は並外れたものがあったが、併せて彼には、戦わずして、ライバルらが病に倒れていくなどツキもあったと思われる。

織田信長があり、豊臣秀吉を生み、そして徳川家康へとつながっていく、日本の歴史を大きく動かした最初の人物である織田信長はなかなかに興味深い人物だ。

「完本 信長私記」 花村萬月著 講談社 2015年12月10日発行 3200円+税
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by irkutsk | 2016-12-13 05:39 | | Comments(0)