『「ゆるす」という禅の生き方』を読みました(12月15日)
そして、「ゆるしがたいと感じていることの中には心が変われば、もっと言えば、心がしなやかさを取り戻したら、ゆるせることがかなりあるのではないか」と言っています。
怒るという感情は自分の心の中で起こることで、怒っている間自分の心はいらいらしています。自分にとってなにもいいことはありません。「怒らない」ことが大切。
また本書では「悪口の対象にならない方法は他人の悪口、蔭口を言わない」ことだと言っています。
「一期一会」についても、今、会って過ごしている人との時間はたった一度のことであり、二度と戻ってこないとても大切なものだ。常にその心構えで接しなさいと言っています。
人と会うことだけではなく、あらゆることが一期一会、冬の雲一つなく晴れ渡った青空の美しさも今この時にしか見られなく、紅葉の季節の暮れかけた陽に輝いている赤や黄色の木々の葉もその時にしか見られない。もう一度この美しさを見てみたいと思っても、それはかなわないことです。
すべてものは一瞬たりともとどまっていない。常に変化し続けている。私たちの人生もそうだし、私たちをとりまく世界もそうです。瞬間、瞬間を大切にして生き、最後に「ああ、よい人生を送れたな」と言って感じられたら最高です。
私たちは裸で何一つ持たずに生まれてきました。そしてまた何一つ持たずにこの世を去っていきます。この世で、あれもこれもとため込んだものは自分を窮屈にするだけです。少しずつ手離しながらまた生まれたときの姿に戻り、最期を迎えたいものです。
『「ゆるす」という禅の生き方』 枡野俊明著 水王舎 2015年7月10日 1300円+税