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「最悪の将軍」を読みました(2月26日)

「最悪の将軍」を読みました(2月26日)_d0021786_23214451.jpg1680年、綱吉が思わぬことから徳川五代将軍になり、「忠孝を励まし、夫婦、兄弟、諸親類に睦まじく、召し使いの者に至るまで憐憫を加うべし。もし不忠、不孝の者あらば、重罪足るべきこと」という高札を諸国に立てさせた。そして妻・信子に「余は命の重さを、この世に取り戻す」と言い、慈愛の心がまさに「文」であり、その力によって武を制し、信の太平を導くとした。また鷹狩の鷹の餌として犬を献上させる慣わしが諸国の大名の間で行われていたことに対し、「子を捨て、老親を捨て、犬を殺す」ことはすべてつながっている。世に慈しみの心を涵養せねば、殺生は一向に亡くならないと考た。彼の治世中には赤穂浪士の討ち入りや、富士山の噴火、地震、大火と次々に困難が起こった。また市中では生類憐みの令を曲解し、人よりも犬を大事にしていると思われる。太平の世を目指した彼の治世は果たして実現できたのか。1680年にタイムスリップしたような気持ちで、当時の綱吉と彼をとりまく人たちの物語を楽しく読むことができる一冊でした。
「最悪の将軍」 朝井まかて著 集英社 2016年9月30日発行 1,600円
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by irkutsk | 2017-02-26 23:14 | | Comments(0)