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「盲目的な恋と友情」を読みました(4月28日)

「盲目的な恋と友情」を読みました(4月28日)_d0021786_9542123.jpg本書は2部構成になっている。第1部「恋」では、タカラジェンヌの母親を持つ蘭花が大学に入学し、大学の管弦楽団に入る。彼女は幼いころからバレエとヴァイオリンとピアノを習っていた。その大学の楽団に指揮者として来ていた茂美星近。彼は4年生のフルート奏者・稲葉要子先輩と付き合っていた。

やがて稲葉先輩は卒業し、茂美と別れ、蘭花が彼と付き合うようになる。そして蘭花4年生の最後の演奏会の当日、やって来た稲葉先輩に「ナナコさんにもう会った?」と聞かれる。「あの人には苦労するわよ」と言われたが、蘭花は何のことかわからなかった。だが、やがてこの言葉の意味を知らされることになる。

茂美は音大の恩師・室井に紹介されて蘭子の大学の管弦楽団の指揮に来ていたし、室井が海外へ行くときには助手として同行していた。その室井の妻が「菜々子」だったのである。恩師の妻と茂美の関係に悩むことになる蘭花だったが、その結末は意外なものだった…。

第2部「友情」では同じ大学の管弦楽団でやはりヴァイオリンを演奏する瑠利絵の視点から蘭花のこと、蘭花と茂美のこと、そして蘭花に比べて全然美人でなく、また明るくもない自分のことが描かれている。彼女は蘭花の親友だと思っていたが、蘭花はそうは思っていなかった。二人の気持ちのすれ違いが、蘭花と茂美をめぐる関係でやはり意外な結末を迎える。

異なった二人の視点から、一つのストーリーが描かれており、興味深く読むことができました。

「盲目的な恋と友情」 辻村深月著 新潮社 2014年5月20日 1500円+税
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by irkutsk | 2017-04-28 19:52 | | Comments(0)