「シャイロックの子供たち」を読みました(4月29日)
物語は10の短編をまとめたものになっているが、全体で大きな一つのストーリーとなっている。
ノルマを達成するために容赦ないパワハラが横行する。銀行内でなくなった100万円を事故として報告することなく、役職者で金を出し合って事故を無かったことにする。みすみす損をすると分かっている投資信託を売らせる。ATMに入れるお金を金曜日の夕方に失敬して、ギャンブルに使い、当たったお金で月曜日の朝一番に返しておく。倒産しそうなことがわかっている会社に融資して、融資実績を上げる等々。
銀行の内情を知る筆者だから書けるミステリーである。
「シャイロックの子供たち」 池井戸潤著 文春文庫 2008年11月10日発行 630円+税