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「いつまた、君と ~何日君再来」を見に行きました(6月26日)

「いつまた、君と ~何日君再来」を見に行きました(6月26日)_d0021786_9291777.jpg109シネマズ名古屋へ「いつまた、君と ~何日君再来」を見に行きました。

この映画の原作は向井理のおばあさん・芦村朋子が書いた手記です。彼女が夫・吾郎と結婚してからの生活を克明に描いたものです。二人は昭和15年に結婚して、南京へ行きます。その後上海へ引っ越し、終戦を迎え、着の身着のままで松山の朋子の実家に親子4人で身を寄せます。ところが朋子の父は無一文で帰ってきた吾郎につらく当たり、やがて家族4人で、茨城県で新しい生活を始めます。

最初はフォードの中古トラックを買って運送屋をやると意気込んでいたが、トラックは故障続きで結局トラックを二束三文で売り渡します。次にタイル工場の営業になるのですが、東京へ出張中に酔っ払いに殴られ、骨盤を折る大けがをします。ようやく治って帰ってみるとタイル工場は会計担当者が会社の金を持ち逃げして、倒産していました。次にやったのはところてん屋。大阪の友人・高杉から大量の寒天が送られてきたのをきっかけに始め、夏はかき氷、秋にはおでん屋と順調にいくかに見えた商売も、駅前にちゃんとした喫茶店や居酒屋などができると客足は遠のき、さらに酔っ払いが3人、酒を出せと騒ぎ朋子に迫り、吾郎と3人の酔っぱらいはけんかになるところでしたが、運よく巡査が来て酔っ払いは逃げていきました。ところがこの事件で店の客足はさらに遠のき、店をたたんで大阪に行き、高杉の働く石油会社で働くことになります。つらい肉体労働だったが、長女・真美も生まれ、親子5人楽しく暮らしていました。さらに秋にできる岸和田の製油所の所長にという話もあり、順風満帆のひとときでした。

ところが台風で建設中の岸和田の製油所は壊され、吾郎の身体にも異変が。骨と骨の間に腫瘍があるということで入院し、昭和29年7月にはこの世を去ることになりました。残された朋子と3人の子どもたち。朋子は高杉に頼んで石油会社での就職を頼みます。会社の寮で住み込みの賄い婦として雇われることになったのですが、まだ小さい真美を松山の実家に預けることにしました。

昭和の激動の時代を生きた朋子と吾郎の物語です。いろんな難題が次から次からと襲ってくるのですが、それを明るく乗り切ろうと夫や家族を励ます朋子でした。

映画を見ながら、私の育った時代もまだ戦後の名残があり、悪いことをして金儲けをするのは日常茶飯事で、真面目に働くものはバカを見るという時代でした。

大阪の製油所に勤めていた時、吾郎と朋子は子供たちが大きくなったら、二人で世界旅行をしたいね。モロッコの砂漠、パリのセーヌ川、イタリアのベニスのゴンドラ、ベスビオ火山も見たいと語り合った話を、絵が得意な吾郎が二人で旅行したかのような絵を描いてくれました。それは残された朋子の大切な宝物でした。幼い真美を両親に預けるとき、それを真美に渡したのでした。

そのことを母の手記で知った真美は、母の本当の気持ちを理解し、涙するのでした。

どんな時代に生きていても、どんな不幸が自分の身に押し寄せようとも、気持ちの持ち方ひとつでそれを乗り切ることができる。ささやかな幸せの瞬間をいくつ見つけ出せるかによってその人の人生は輝くものにもなるし、つまらないものにもなると感じました。

「いつまた、君と ~何日君再来」 2017年日本 114分 監督:深川栄洋 出演:尾野真千子、向井理、岸本加世子、イッセー尾形、駿河太郎、片桐はいり、野際陽子ほか
「いつまた、君と ~何日君再来」公式サイト
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by irkutsk | 2017-06-26 17:40 | 映画 | Comments(0)