「会いたかった人」を読みました(7月7日)
「会いたかった人」では心理学者の諸井小夜子が、4年前に都内で老人ばかりを誘拐し、残忍な手口で殺害する連続殺人事件が起きた時、犯罪心理学を応用して事件を考察する短い論文を書いた。それから数日後、逮捕された犯人が、かのじょの予測した人間像と偶然、ぴったりと一致したことから、彼女は一躍、時の人となった。
そして関東地方にだけ放送されている人気トーク番組「午後のコーヒーブレイク」に出演し、その中で思い出に残っている友達について聞かれ、中学時代仲の良かった結城良美のことを話した。彼女は高校に入った年にお父さんの転勤で新潟に行き、2年くらいは文通を続けていたが、その後音沙汰がなくなったと話した。するとその日の夜、番組のプロデューサーから電話が入り、結城良美が見つかったという。そして彼女の電話番号を教えてくれた。
25年ぶりの親友に電話をかけ、高校3年の時彼女の父親が交通事故で亡くなり、岡山の母の実家へ引っ越したのだという。二人は翌日、渋谷のイタリアンレストランで会うことにした。25年ぶりに再会した彼女は小夜子の想像を超えていた。昔話をし、お互いの近況を話した。その後も良美は頻繁に電話をかけてきた。
そしてしばらくして先日出演した番組のプロデューサーから次のような話を聞いた。「丹野さんという人から番組あてに手紙が届いて、その手紙によると結城良美さんは25才で亡くなっているはずだ…」という。
では再会した良美は誰なのか?
ほかの5遍もハラハラ、ドキドキするストーリー展開で十分楽しめました。
「会いたかった人」 小池真理子著 祥伝社文庫 1991年10月20日発行 600円+税