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「カラダはすごい!」を読みました(7月11日)

「カラダはすごい!」を読みました(7月11日)_d0021786_1534132.jpg医者である著者が、いろんな疑問、思い込みを明らかにしてくれる一冊である。しかし、新書一冊というのには限度があり、もうちょっとこの話を聞きたいと思わせられる部分が多々あった。一般の読者にもわかりやすいように書かれており、ちょっと楽しい本でした。

本書は9つの講義に分かれており、それぞれのテーマでおもしろい話、みんな信じているけど、本当じゃない話などなどたくさん発見がありました。
第1講 実は医学はおもしろい――ウソがいっぱいの医学の不思議
第2講 呼吸器系――息をしすぎて苦しくなる肺の不思議
第3講 消化器系――なんでもクソミソにする胃腸の不思議
第4講 循環器系――誰かが動かす心臓の不思議
第5講 神経系――魂は宿っていない脳の不思議
第6講 泌尿器系・生殖器系――医学が下ネタになる不思議
第7講 感覚器系――他人と比べられない感覚の不思議
第8講 内分泌系・リンパ系――ごく微量で効くホルモンの不思議
第9講 皮膚・骨・筋系――骨が入れ替わる不思議

お酒を飲むとどうしてトイレに行きたくなるか?
アルコールには利尿作用はありません。あるのは「抗利尿ホルモン」の分泌を抑える働きです。抗利尿ホルモンとは尿が出ないようにするホルモンで、脱水を防ぐためにあるそうです。では、なぜアルコールを飲むと抗利尿ホルモンが抑えられるのでしょうか。それはやはりアルコールが体に良くないから、早く体外に排出するために、身体はどんどん尿を出させるのです。だからお酒を飲むとのどが渇いて、水を飲みたくなるんですね。

ダイエットについておもしろいことが書かれていました。
胃の容積は空腹時で50~100ml、満腹状態では1500~1800mlになります。胃の壁は柔らかいので、圧力がかかると伸びます。いつも満腹まで食べていると、胃が伸びて、さらに食べないと満腹感が得られなくなります。それでまた食べるとまた胃が伸びるという悪循環に陥ります。これが大食の人のパターン。逆にいつも腹八分目にしておくと、胃は少しずつ縮み、小さくなるから少しで満腹に近くなり、食べる量が減るからさらに胃が小さくなる。これが小食の人のパターンです。どちらに傾くかは、初めにほんのわずかな我慢ができるかどうかにかかっています。

鼻血は鼻をつまめば止まる。
鼻の穴のすぐ上には、毛細血管が豊富な場所(キーゼルバッハ部位)があり、鼻血はたいていここから出ます。5分から10分ここをつまんで、そっと離すと止まっています。ちり紙を詰めたり、うなじをたたく人もいますが、これは全く効果がありません。

舌のコケは取ってはいけない。
健康な舌には白から淡黄色の薄い苔がついていますが、胃腸の調子が悪くなるとコケが分厚くなり、色も濃くなります。これは舌の表面を覆って味覚を低下させ、ものを美味しく感じにくくするためです。舌が胃を気づかって、あまり食べないようにとサインを送っているのです。

牛乳は骨粗しょう症の予防にならない。
牛乳にはカルシウムが多く含まれるので、骨粗しょう症の予防になると考えている人も多いでしょう。しかし、それは間違いです。牛乳を飲んで血液のカルシウム濃度が急激に上がると、逆に排泄が進みすぎ、それを補うために、骨のカルシウムが溶けて、血液に流れ込むからです。カルシウムは心臓や脳、筋肉の活動に重要な働きをするため、身体が一定の濃度に保とうとして、過剰反応が起きてしまうのです。望ましいカルシウムの摂取は、野菜や小魚から適量をとることです。すなわち、バランスのとれた普通の食事が一番ということです。

「カラダはすごい!」 久坂部羊著 扶桑社新書240 2017年5月1日発行 820円+税
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by irkutsk | 2017-07-11 05:02 | | Comments(0)