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「地球も宇宙も謎だらけ!」を読みました(10月27日)

「地球も宇宙も謎だらけ!」を読みました(10月27日)_d0021786_15313314.jpg「新潮45」に連載された<達人対談>の中から、地球と宇宙の謎を追う科学者たちとの対談を集めてものである。

宇宙にある暗黒物質とはいったい何なのか。粒子であることぐらいしかわかっていない。エネルギーもある。私達には見えない異次元を走っているという説もある。宇宙が膨張していると密度は膨張した文だけ薄まるはずであるが、暗黒物質はそのエネルギーが8倍にあるという。なんともわからない物質だ。

東海、東南海、南海地震が三連動で起こったのは最近では1707年、300年に1回ぐらいの割合で起こっているので、そろそろ起こってもおかしくない時期である。また三連動の地震の後には富士山が爆発している。三連動の地震は東日本大震災と同じく、海に震源があるので長周期のゆらゆらと揺れる地震が10分ぐらい続くこともある。

宇宙エレベーターが夢物語ではなくなったのは、カーボンナノチューブの発明による。高さ10万キロの宇宙からまず4ミクロンのケーブルを地上に下ろす。その後地上から登っていきながら、カーボンナノチューブを貼り付けていく。510回繰り返せば7000トンのケーブルができあがる。18年5か月で完成するという。最初から安全を見て、2本同時に垂らして補強作業をしていく。クライマーは6両編成。全長144m。定員30名(うち観光客は15名)。時速200㎞で上昇し、静止軌道ステーションまでは1週間かかる。2025年に着工すれば、2050年には供用開始できるという。建設費は30兆円。本当に夢ではなくなった気がする。ケーブルの厚さは1.4ミリ、幅は4.8センチ。

動物に超小型カメラを取り付けて、さまざまな動物の生態を調査するという話も面白かった。動物は全力を出さないという。目的もなくただ速さを競うだけのために走るのは人間だけである。

地球が全球凍結して白い惑星だったことが3度あった。22億年前、7億年前、6億5千円前である。なぜ地球は凍ったのか。火山活動が弱くなり、温室効果が弱まったためである。そして凍った地球の深海では熱水が湧いており、そこには原始生物がいた。ではどうして全球凍結から抜け出せたのか。火山活動が活発化し、二酸化炭素が増えたからである。これには数百万年から数千万年が必要だった。

ミクロの世界と宇宙の世界はよく似ていると思う。宇宙自体がひょっとして一つの細胞かもしれない。それが何十兆個も集まって何かとてつもないものができているのかも。
科学の最先端で活躍している先生とビートたけしの対談で、非常に面白く読めた。参考になることもいっぱいだし、第一人者と言われる人たちにはみんな夢があると思った。

内容は次のようなものである。関心があるものだけ拾い読みしてもいい。
「宇宙の謎を解く鍵はどこにある」  村山斉
幻の植物を求めてアジア奥地へ  荻巣樹徳
もしも富士山の大噴火が起きたら  鎌田浩毅
「宇宙エレベーター」はもはや夢じゃない  石川洋二
生命の起源、メタン菌って何だろう  高井研
菌を追いかけ北極から南極まで  星野保
辺境に生きる極限生物を探して  長沼毅
生命誕生の秘密は宇宙にあった  山岸明彦
超小型カメラが明らかにする動物の神秘  佐藤克文
地球は凍った真っ白な星だった  田近英一

「地球も宇宙も謎だらけ!」 ビートたけし著 新潮文庫 2017年3月1日発行 520円+税
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by irkutsk | 2017-10-27 22:30 | | Comments(0)