「60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ」を読みました(12月5日)
2010年4月からグアダラハラで10か月、そしてその6年後オアハカで三週間、スペイン語を勉強した筆者が綴った語学の勉強法である。
以下はこの本に書かれてあったことで、今まで私が知らなかったことである。
16世紀前半にスペインに銀や言語を奪われたメキシコ、中南米でスブラジルを除いてスペイン語が話されるのはスペインによる侵略の産物である。
2000年の国勢調査によると、アメリカにおけるヒスパニック系人口は3530万人強で、従来最大のマイノリティであったアフリカ系の12.3%を上回った。
著者がグアダラハラでホームステイしたのは70歳と75歳の姉妹の家で、二人ともスペイン語しか話せなかった。彼が入った学校でクラス分けの試験があり、彼は一番下のNivel uno(レベル1)だった。そのクラスは5人で、彼の他にはイギリス人、カナダ人、オーストラリア人、韓国人がいた。
スペイン語の単語は通常後ろから2番目の母音にアクセントがある。例外にはアクセント記号をつける。
Stで始まる英語の単語はスペイン語ではestとなる。例えばstudy→estudiar、state→estado、studio→estudioなど。
スペイン語では「r」で始まる単語は「r」を巻き舌で発音しなければならない。「rr」が入っていたらこれも巻き舌で発音する。
メキシコではバスのことをカミオンと言うが、停留所の無いバス停がたくさんあり、教師に聞いてみたら、2、3ブロックごとに止まることになっているという答えが返ってきた。しかもバス停らしきところでぼんやり待っていたらバスが通過してしまい、客は必至でカミオンを止めなければならない。
全身を耳にして街を歩いていると、「……ベルダー?」とそのあとに相手から言われる「マンデ」という言葉がよく耳についたので、教師に聞いてみると、前者は「~でしょう、そう思わない?」、そして「マンデ」は「今なんて言った?もう一回言って」という意味だそうだ。
楽しく読めた本でした。外国語は簡単に学べるものではない。しかし語学を勉強するのはおもしろいということがよくわかる本でした。
「60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ」 青山南著 岩波新書1678 2017年9月20日発行 820円+税