「おちゃめに100歳!寂聴さん」を読みました(4月10日)
世間話をしているうちに採用がきまり、「3月から働けるわよね」と言われる。すぐに東日本大震災があり、避難所や仮設住宅にも出かけて行った先生。そしてこう言った。「人間が生きていくうえで、愛する人との別れは避けられない。私もたくさんの人を見送ったの。死に別れることは、最もつらい苦しみだけど、やがてあなたも逝くのだから大丈夫。人はみんな、一人なのだから。」
まなほさんが来て、朝ご飯はパンになったこと。まなほさんの着ているもの、食べているもの、いろんなものに興味を持つ先生。そして彼女に「おかしいことはおかしいと声をあげる」と教える先生。縁あってめぐりあった二人が織りなす日々の生活のこまごまとしたことがまるで貴重な宝石のよう。彼女は先生のそばで一日でも長く過ごしたいと思っているし、先生もまなほさんのそばで楽しい日々を送っている。
「縁とはこういうものなんだなあ」と思いました。
「おちゃめに100歳!寂聴さん」 瀬尾まなほ著 光文社 2017年11月20日発行 1300円+税