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「おちゃめに100歳!寂聴さん」を読みました(4月10日)

「おちゃめに100歳!寂聴さん」を読みました(4月10日)_d0021786_12595549.jpg66歳年下の秘書・瀬尾まなほさんが、寂聴さんとの7年間の生活を書いた本です。高校時代にいじめを受け、アメリカへ1週間ホームステイに行きそれが大きな転機になった。京都外国語大学に進学後は自分が何をしたいのかわからなくなった。そして1年間大学を休学し、就職もあきらめかけていた時、高校時代の友人から「まなほにぴったりのところがある。私を信じて」と声をかけられた。それが寂聴さんとの出会いだった。履歴書を送ったのは2010年10月。背骨を圧迫骨折した先生とはなかなか会えず、初めてかを合わせたのは卒業間際の翌年2月上旬のこと。

世間話をしているうちに採用がきまり、「3月から働けるわよね」と言われる。すぐに東日本大震災があり、避難所や仮設住宅にも出かけて行った先生。そしてこう言った。「人間が生きていくうえで、愛する人との別れは避けられない。私もたくさんの人を見送ったの。死に別れることは、最もつらい苦しみだけど、やがてあなたも逝くのだから大丈夫。人はみんな、一人なのだから。」

まなほさんが来て、朝ご飯はパンになったこと。まなほさんの着ているもの、食べているもの、いろんなものに興味を持つ先生。そして彼女に「おかしいことはおかしいと声をあげる」と教える先生。縁あってめぐりあった二人が織りなす日々の生活のこまごまとしたことがまるで貴重な宝石のよう。彼女は先生のそばで一日でも長く過ごしたいと思っているし、先生もまなほさんのそばで楽しい日々を送っている。

「縁とはこういうものなんだなあ」と思いました。

「おちゃめに100歳!寂聴さん」 瀬尾まなほ著 光文社 2017年11月20日発行 1300円+税
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by irkutsk | 2018-04-10 05:00 | | Comments(0)