「死ぬほど読書」を読みました(8月10日)
「はじめに」の中で著者は次のように書いている。「小さい頃から遊びも勉強も習い事も、親や周りから良かれと思って与えられた環境で育った人が多くなっている。与えられたものの中でばかり生きていると、「自分の頭で考える」ということができなくなります。自立した思考ができないからたまたま与えられた狭い世界の中だけで解決してしまう。」
また第1章ではネット社会と本というテーマで書かれているが、ネット情報はどこの誰が責任をもって発しているのかが見えないがゆえにいい加減な情報であふれかえっている。専門家であっても信頼できるとは限らない。社会的に信頼度が高いと思われている専門家や大手マスコミ、大企業であっても、すべての情報が真実かどうかは本当にはわからない。情報のクオリティを見抜く力が必要であると言っている。
「自分は何も知らない」と自覚することも大切だと主張している。人間にとって一番大事なのは「自分は何も知らない」と自覚すること。「無知の知」を知る。読書はそのことを、身をもって教えてくれます。何も知らないという自覚は人を謙虚にします。謙虚であればどんなことからでも何かを学ぼうという気持ちになる。反対に自分は何でも知っていると思っている人ほど質の悪いものはないかもしれません。こういう人は傲慢で、何でも人より優位に立って自分の思い通りに事を進めようとしたりします。
また、「読みながら考えないと身につかない」とも言っています。「本は『なぜ?』、『どうして?』と考えながら読めば、それだけ考える力が磨かれるのです。考える力は生きていく力に直結します。
第6章では次のように言っています。「幅広くいろんな本を日頃から読み、仕事と真剣に向き合っている人は自分の考えや信念を持っているから、安易に空気に流されるようなことはないはずです。読書は心を自由にしてくれます。読書によって自分の考えが練られ軸ができれば空気を中心に思考したり、行動したりすることなどはなくなるはずです。世間の常識や空気に囚われない真の自由を読書はもたらすのです。」
「死ぬほど読書」 丹羽宇一郎著 幻冬舎新書 2017年7月30日発行 780円+税