「大人の教養」を読みました(9月11日)
そして現代の教養とは何を学べばいいのか。すぐには役に立たなくても、社会に出て、やがて有効に働くようになる。そういう生きる力になるものとは何だろうか。それは「自分がどういう存在なのか」を見つめていくことではないか。「自分を知る」ことこそが現代の教養だろうと筆者は考えた。そして「自分を知る」ということを主題に据えて、現代における自由7科というものを次のようなものであると考えた。
宗教、宇宙、人類の旅路、人間と病気、経済学、歴史、日本と日本人という7つの科目を順に講義してくれている。
宗教では風土によって異なる宗教が生まれるとしています。「ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という一神教は、砂漠から生まれた宗教です。砂漠という土地は暮らしていくのが大変なところです。日照りが続いただけで、人間はすぐに死んでしまう。砂漠のように厳しい自然環境の中では「神の怒りに触れたら大変だ」という考えが説得力を持ち、大変強く厳しい神の存在が考えられたのでしょう。」
一方、「日本では「八百万の神」といって、自然のありとあらゆるところに、神様がいると信じられていました。一神教ではなくて多神教です。」
細かい内容についてはぜひ本書を手に取って読んでみてください。知らなかったことがたくさんあったことに気づき、それをわかりやすく説明してくれているので、この一冊を熟読すれば現代人の教養は身つくと思われます。
「大人の教養」私たちはどこから来て、どこへ行くのか? 池上彰著 NHK出版新書431 2014年4月10日発行 780円+税