「決断の時―トモダチ作戦と涙の基金」を読みました(10月15日)
小泉は単身、アメリカへ渡りトモダチ作戦に参加した兵士たちと会った。そして帰国後、彼らに対して何かできないかと基金を設立し、2016年6月から2017年3月までの間に3億円を集め、彼らに贈った。
本書の中で小泉は「総理というものは、自民党だけの代表ではありません。全国民のリーダーです。だから、野党の意見も聞かなければいけない。無党派層の声はもっと耳を傾けないといけない」と言っています。今の安倍に聞かせてやりたい。
また彼がオンカロの核廃棄物処理施設を見て、10万年も保管し続けなければならない核のゴミを安全に保管できるところなど日本にはないと判断し、反原発を主張するようになった。原発は全然安い電力ではないし、廃棄物の処理のめども立たないのにこれ以上推進すべきではないと考えるようになった。そして愛弟子である安倍にそれを進言したが、安倍は受け入れることなく、旧来の原子力推進を引き続き行っている。
政界の裏側の話も書かれてあり、なかなか興味深く読むことができた。
「決断の時―トモダチ作戦と涙の基金」 小泉純一郎 取材・構成 常井健一 集英社新書 2018年2月21日発行 800円+税